高専は、お子さんの「好き」を一生の武器に変えられる学校です。
高専(高等専門学校)は、中学校を卒業して入学する5年制の学校です。「普通の高校ではなく、いきなり専門の学校で大丈夫?」と不安に思われる保護者の方も多いかもしれません。このページでは、就職・進学・学費という3つのメリットと、女子学生の増加、寮生活について、国立高専機構の公表データをもとにまとめました。
数字で見る高専
国立高専の最新データです(国立高専機構「概要2026年度」等より)。
就職率 99.4%
本科卒業生のうち、就職を希望した学生の就職率(令和7年度)。求人倍率は20倍を超えています。
進学率 97.1%
本科卒業生のうち、進学を希望した学生の進学率(令和7年度)。卒業生の約4割が大学編入・専攻科へ進みます。
1〜3年生の授業料 実質0円
2026年度から、就学支援金の所得制限がなくなり、国公立高専の1〜3年生は世帯年収にかかわらず授業料が実質無償になりました。
女子学生 25.8%
国立高専の本科で学ぶ女子学生の割合(令和8年度)。大学の工学系学科(17.9%)より高い割合です。
圧倒的な就職率
20歳で、大手企業から引く手あまたの技術者に。
国立高専の本科卒業生のうち、就職を希望した学生の就職率は99.4%(令和7年度)。毎年ほぼ100%を維持しています。参考までに、同じ年度の大学生の就職率は98.0%です。
さらに注目したいのが求人倍率20倍超という数字です。就職を希望する学生1人に対して、20社以上から求人が届く計算になります。企業は「5年間、実験・実習を通じて専門性を身につけた20歳」を高く評価しており、大学卒業者より2年早く社会に出られることも強みです。
主な就職先(令和6年度本科卒業者)
西日本旅客鉄道(JR西日本)、東海旅客鉄道(JR東海)、ダイキン工業、三菱電機、三菱重工業、本田技研工業、旭化成、京セラ、関西電力、東京電力ホールディングス、富士電機、鹿島建設、NTT西日本、国土交通省 など
待遇面でも、高専卒業生を大学卒業生と同じ条件で採用する企業が出てきています。例えばSMBC日興証券は2025年4月入社から高専(本科)卒業生の新卒採用を始め、給与や配属などを大卒と同条件にしています。さくらインターネットでも、高専(本科)卒業生と大学卒業生の初任給を同額にしています。
圧倒的な進学実績
大学受験をせずに、国立大学の3年生へ。
「高専に行くと大学に行けないのでは?」というのは大きな誤解です。国立高専の本科卒業生の約4割が進学しており、その内訳は大学への編入学が約24%、高専の専攻科への進学が約14%(令和7年度)。進学を希望した学生の進学率は97.1%です。
高専からの進学は、一般的な大学入試ではなく「編入学試験」が中心です。高専で学んだ専門科目をもとに、大学の3年生として入学できます。高専の5年間で専門をじっくり学び、そのまま国立大学の研究につなげられるのが大きな魅力です。
| 主な編入学先(令和7年度) | 人数 |
|---|---|
| 豊橋技術科学大学 | 374人 |
| 長岡技術科学大学 | 308人 |
| 熊本大学 | 82人 |
| 筑波大学 | 54人 |
| 東京農工大学 | 52人 |
| 九州大学 | 50人 |
| 千葉大学 | 48人 |
| 広島大学 | 44人 |
| 大阪大学 | 40人 |
| 東北大学 | 37人 |
| 北海道大学 | 32人 |
| 東京大学 | 15人 |
専攻科(2年間)に進んだ場合は、修了時に大学卒業と同じ「学士」の学位を取得でき、東北大学・九州大学・大阪大学などの大学院へ進む学生もいます。
学費の負担が軽い
国立高専なら、5年間の授業料・入学料はおよそ55万円が目安です。
国立高専の授業料は全国共通で、年間234,600円、入学料は84,600円です。さらに2026年度から高等学校等就学支援金の所得制限がなくなり、1〜3年生の授業料は世帯年収にかかわらず実質0円になりました。
| 国立高専の費用(2026年度) | 金額の目安 |
|---|---|
| 入学料(入学時のみ) | 84,600円 |
| 授業料 1〜3年生 | 年234,600円 → 就学支援金で実質0円 |
| 授業料 4・5年生 | 年234,600円(修学支援新制度の対象になれば減免あり) |
| 5年間の入学料+授業料の合計 | 約553,800円 |
4・5年生は「高校生」ではなく大学生と同じ扱いになるため、就学支援金ではなく高等教育の修学支援新制度(授業料減免・給付型奨学金)の対象になります。このほか、教科書代・教材費・寮費などが別途かかります。公立・私立高専は金額が異なるため、各高専のページや公式サイトでご確認ください。
女子学生は年々増えています
「高専は男子校のようなもの」は、もう昔の話です。
国立高専の本科で学ぶ女子学生の割合は25.8%(令和8年度)。およそ4人に1人が女子学生です。10年ほど前は2割に届かない水準(約17〜18%)だったので、着実に増えてきました。新入生に占める女子の割合も、ここ数年は25〜26%台で推移しています。
| 国立高専の女子学生比率 | 割合 |
|---|---|
| 2012年度ごろ(学生全体) | 約17.5〜18.0% |
| 令和6年度(2024年度・学生全体) | 24.2% |
| 令和8年度(2026年度・本科) | 25.8% |
| 参考:大学の工学系学科(令和7年度) | 17.9% |
学校によっては女子比率が3〜4割を超えるところもあります。全国の国立高専では女子寮や女子学生向けの設備が整えられているほか、女子高専生が技術アイデアを競う「高専GCON」などの活躍の場も広がっています。学校ごとの女子比率は高専ランキング(女子比率)や各高専のページで確認できます。
寮生活で、人としても大きく成長
すべての国立高専に学生寮があります。
国立高専はすべてのキャンパスに学生寮(男子寮・女子寮)を設置しており、在学生の約3割が寮で生活しています。自宅から通えない地域の高専でも、安心して進学先に選べます。
寮では、上級生が下級生の勉強を自主的にサポートするなど、学年をこえた助け合いが日常的に行われています。15歳から親元を離れ、自分のことは自分で管理し、仲間と協力しながら暮らす経験は、自立心や協調性、生活力を育て、社会に出てからも大きな財産になります。
先輩たちの声(高専レビューの口コミより)
「寮生活を経験する中で全国各地から集まった個性豊かな友人たちと夜遅くまで語り合ったり、寮祭の企画運営でみんなと団結して一つのイベントを作り上げたりしたことが青春の最高の思い出です。」
(鈴鹿高専の先輩)
「早い段階から親元を離れた寮生活が送れ、たくさんの友達と学びも遊びも充実した。」
(長野高専の先輩)
「1、2年生は寮生が多く寮生活を通じながら友達を作っていくので、仲良くなりやすくご飯などを一緒に行くのが楽しい」
(沖縄高専の先輩)
出典:独立行政法人国立高等専門学校機構「概要(2026年度)」、同「令和8年度 各高専における在学生数及び女子学生比率」、同「KOSEN PRリーフレット(2025年3月)」、内閣府男女共同参画局「共同参画」2013年4・5月号。数値は国立高専のものです。学費・制度は変更される場合があるため、最新情報は各高専・文部科学省の公式情報をご確認ください。