高専に進学した中学生の保護者の中には、「大学に行きたくなったらどうするの?」と心配する方も多いのではないでしょうか。実は高専には、卒業後に大学の3年次へ編入学できる制度が用意されています。この記事では、大学編入の仕組みとメリット・デメリット、実際の編入先の例を紹介します。
大学編入とは何か
高専の本科(5年間)を卒業すると、大学入学共通テストを受けなくても、各大学が実施する編入学試験を通じて大学3年次に編入できます。試験内容は専門科目と英語、面接が中心で、高専で学んだ専門知識をそのまま活かせるのが特徴です。編入学の実施時期は大学によって異なり、多くは4年生の秋から5年生にかけて出願・受験が行われます。
編入先の大学の例
編入先としては、もともと高専卒業生の受け入れを想定して設立された豊橋技術科学大学・長岡技術科学大学が代表的です。そのほか、大阪大学、東京科学大学(旧東京工業大学)、筑波大学、横浜国立大学、九州工業大学など、難関国立大学への編入実績も多数報告されており、中には東京大学に編入する卒業生を輩出している高専もあります。
大学編入のメリット
メリットは、共通テスト対策に時間を割かずに専門分野を深められる点です。また、高専の5年間で身につけた実験・実習の経験は、大学の研究活動でも強みになります。学費面でも、高専の授業料は国立大学と同水準かそれ以下であることが多く、5年間+編入後2年間という形でも家計への負担を抑えやすいといわれています。さらに、大学卒業と同じ学士の学位を得られるため、就職活動では大学卒業者と同じ条件で幅広い企業にエントリーできる点も見逃せません。
大学編入のデメリット・注意点
一方で、編入試験の倍率が高い大学もあり、独自に受験対策を進める必要があります。学校推薦のような仕組みが薄く、志望校の情報収集や過去問対策を自分で行う主体性が求められる点はデメリットといえるでしょう。また、大学によっては編入後に必修科目の再履修が必要になり、大学入学者より学ぶべき科目が増える場合もあります。
大学編入を目指すなら早めの準備を
編入試験は4年生から5年生にかけて実施されることが多く、高専3〜4年生の時点から数学・英語・専門科目の基礎固めを始めておくと安心です。担任やクラス担当の教員、進路指導室に相談しながら、志望校の過去問や必要科目を早めに確認しておくことをおすすめします。校内には編入学の先輩の合格体験記や過去問を蓄積している高専も多く、こうした情報を積極的に活用することが合格への近道になります。
編入学と専攻科進学の違いも押さえておこう
高専卒業後にさらに学びを続ける道としては、大学編入のほかに校内の専攻科へ進学する選択肢もあります。専攻科は住み慣れた高専でそのまま学びを続けられる一方、大学編入は環境を変えて新しい大学のカリキュラムや研究室で学べる点が大きな違いです。どちらも最終的には学士の学位取得につながるため、進学先の研究内容やキャンパスの雰囲気を比較しながら、自分に合った道を選ぶとよいでしょう。

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