「高専にも国立・公立・私立があるの?」「何が違うの?」――高専を調べ始めた中学生・保護者の方からよく聞かれる疑問です。
全国58校の高専は、国立51校・公立3校・私立4校に分かれています。この記事では、3つの違いを学費・入試・寮・所在地の4つの観点で比較し、在校生・卒業生の口コミもあわせて紹介します。
結論:大きな違いは「学費」「入試」「寮」の3つ
| 比較項目 | 国立高専 | 公立高専 | 私立高専 |
|---|---|---|---|
| 学校数 | 51校 | 3校 | 4校 |
| 入学料 | 84,600円 | 28,200円〜84,600円(居住地で異なる) | 200,000円〜300,000円 |
| 授業料(年額) | 234,600円 | 234,600円 | 520,000円〜2,000,000円 |
| 1〜3年生の授業料 | 就学支援金で実質0円 | 就学支援金で実質0円 | 支援金(上限年45万7,200円)で軽減 |
| 入試 | 全国共通の学力検査(マークシート方式) | 各校が独自に実施 | 各校が独自に実施 |
| 学生寮 | 多くの学校にあり | 3校とも寮なし | 4校とも寮あり(全寮制の学校も) |
| 所在地 | 全国各地 | 東京・大阪・神戸 | 東京・三重・石川・徳島 |
※学費は2026年度時点で各校が公表している金額です。教科書代・諸経費は別途かかります。最新情報は各校の募集要項でご確認ください。
ひとことでまとめると、国立は「全国どこでも同じ学費・同じ入試」、公立は「都市部・自宅から通う前提」、私立は「学費は高めだが教育内容に強い特色」です。
国立高専(51校):全国一律の学費と共通入試
国立高専は、独立行政法人国立高等専門学校機構が運営しています。北海道から沖縄まで全国に設置されており、多くの都道府県に少なくとも1校あります。
- 学費が全国一律:入学料84,600円・授業料年額234,600円。どの地域の国立高専を選んでも同じです。
- 入試が全国共通:学力検査は全国の国立高専で同じ問題を使い、マークシート方式で行われます。近隣の国立高専どうしで併願できる「複数校志望受験制度」がある地域もあります。
- 寮がある学校が多い:自宅から遠い高専にも通いやすく、寮生活で友人が増えたという口コミも多く見られます。
国立高専どうしの併願については、高専は複数受験できる?国立高専の併願パターンで詳しく解説しています。
公立高専(3校):都市部にあり、自宅から通う学校
公立高専は、自治体や公立大学法人が設置する高専で、全国に次の3校があります。
| 学校名 | 所在地 | 入学定員 | 学生寮 |
|---|---|---|---|
| 東京都立産業技術高専 | 東京都 | 320名 | なし |
| 大阪公立大学高専 | 大阪府 | 160名 | なし |
| 神戸市立高専 | 兵庫県 | 240名 | なし |
- 授業料は国立と同じ:年額234,600円で、1〜3年生は就学支援金で実質無償です。入学料は、都内・市内に住んでいると安くなる学校があります。
- 自治体独自の支援:大阪府内に住む世帯は大阪公立大学高専の授業料が全学年で実質無償になるなど、地元に住む家庭向けの支援制度があります(条件は各校・各自治体の案内で確認してください)。
- 寮がない:3校とも学生寮がなく、自宅から通うことが前提です。そのぶん都市部で通学しやすく、1学年の定員が大きいのも特徴です。
口コミでも、通学のしやすさや設備・先生を決め手に挙げる声が見られます。
「専門分野を実験や実習中心で学べることと就職や大学編入の進路があることが決め手でした。通学しやすさも重視しました。」
(東京都立産業技術高専 情報通信工学科の口コミ)
「専門科目を早い段階から学べたこと、実験設備が充実していたこと、先生方が質問に丁寧に答えてくれたことが総合評価を高くした理由です。」
(神戸市立高専 機械工学科の口コミ)
私立高専(4校):学費は高めだが、教育内容に強い個性
私立高専は学校法人が運営しており、4校それぞれがまったく違う特色を持っています。
| 学校名 | 所在地 | 特徴 | 学生寮 |
|---|---|---|---|
| サレジオ高専 | 東京都 | 工学系に加え、デザイン学科がある | あり |
| 近畿大学高専 | 三重県 | 近畿大学グループの高専 | あり |
| 国際高専 | 石川県 | グローバル教育に力を入れ、1・2年は全寮制 | あり(1・2年は全寮制) |
| 神山まるごと高専 | 徳島県 | テクノロジー・デザイン・起業家精神を学ぶ。全寮制 | あり(全寮制) |
- 学費は学校ごとに大きく違う:授業料は年52万円〜200万円と幅があります。国の就学支援金(上限年45万7,200円)に加え、神山まるごと高専のように奨学金で実質無償にしている学校もあります。
- 入試も学校ごと:国立高専とは別に、各校が独自の日程・方法で入試を行います。
「作品が飾ってある、ポートフォリオが並んでいるサレジオのブースを見て一目惚れしたからです。」
(サレジオ高専 デザイン学科の口コミ)
「自立した人、自分の意思をはっきり持った同級生が多く、またそれを良しとする雰囲気がありました。」
(サレジオ高専 デザイン学科の口コミ)
自分に合う高専を選ぶ3つのポイント
1. 自宅から通うか、寮に入るか
公立高専は寮がないため、自宅から通える範囲かどうかが前提になります。寮に入るなら、国立高専や私立高専も選択肢に入ります。寮費は食費込みで月3万〜6万円程度が目安です。
2. 学びたい分野の学科があるか
設置区分よりも大切なのが学科です。同じ国立高専でも、学校によって学科の構成はまったく違います。高専の学科一覧も参考にしてください。
3. 学費と支援制度を確認する
国立・公立なら1〜3年生の授業料は実質無償です。私立は学校ごとの奨学金制度まで確認しましょう。詳しくは高専の学費一覧と高専の奨学金・学費支援まとめで解説しています。
よくある質問
Q. 国立と公立・私立で、就職や進学に差はありますか?
設置区分による大きな差よりも、学校・学科ごとの差のほうが大きいのが実情です。たとえば公立高専の卒業生の進路は就職が5〜6割・進学が4割前後ですが、国立高専も学校によって就職中心の学校から進学が多い学校までさまざまです。気になる学校の就職・進学割合は、各校のページで確認できます。
Q. 国立高専と公立・私立高専は両方受けられますか?
公立・私立高専は国立高専とは別に入試を行うため、日程が重ならなければ両方受験できる場合があります。ただし合格後の入学手続きの期限があるため、必ず各校の募集要項で日程を確認してください。
Q. 私立高専は学費が高くて通えないのでは?
就学支援金で1〜3年生の授業料は一部(上限年45万7,200円)が支援されます。さらに学校独自の奨学金がある場合もあるので、学費の金額だけであきらめず、各校の支援制度を確認しましょう。
まとめ
- 高専は国立51校・公立3校・私立4校
- 国立は学費・入試が全国共通で、寮がある学校が多い
- 公立は都市部にあり寮がなく、自宅から通う前提。授業料は国立と同じ
- 私立は学費が高めだが、デザイン・グローバル・起業家教育など特色が強い
- 選ぶときは「通学か寮か」「学科」「学費と支援制度」の順で考えるのがおすすめ
気になる高専が見つかったら、高専を探すから学費・寮・進路・口コミをまとめて比較してみてください。
出典:各高専の公式サイト・募集要項、高専レビュー掲載データ(2026年10月時点)。口コミは高専レビューに投稿された在校生・卒業生の声で、個人の感想です。

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